ラグビーの基本ルールを知ることで、ラグビーワールドカップ2023をより楽しめること間違いなし!トライすると何点?スクラムって何?どんなことが反則?まずはこの記事で基本を押さえておこう。
ラグビーへの人気が爆発的に上昇した2019年のワールドカップ日本大会。「にわかファン」という言葉も流行し、日本代表選手に留まらずニュージーランドやイングランドの強豪チームへも注目が集まった。
今回のワールドカップ・フランス大会も、前大会でファンになった国や選手が多く選出されているため、身近に感じることができるだろう。
ただ、サッカーや野球ほどプロリーグが発達していないのも現状で「興味がないわけではないが、いまいちピンとこない」という人も多い。そこで開幕前にラグビーのルールをおさらいしておこう。
基本ルール
試合分数は前半40分&後半40分の80分制で、怪我などで生じた中断時間などに応じてアディショナルタイムが追加される。ハーフタイムは12分。
ポジション→前方にいる8名のフォワード、後方にいる7名のバックス、1チーム計15名で構成。スクラムを組むフォワードは力が重要視されるため体格の良い選手が担う。一方バックスはトライを目的とした役割であるため瞬発力とスピードが求められる。
タックル→ボールを持つ選手を阻止する行為。必ず選手の身体を「つかむ」ことが前提となり肩から上を狙うのは反則。地面に倒すのも許されており、倒された選手がボールをそれでもキープするか、うまい具合に味方にパスをするのかも見どころ。また、ボールを持っていない選手に対してやボールを持つ前の時点でタックルするのは反則。
スクラム→フォワードの8名ずつが肩で押し合って真ん中に投げ込まれたボールを奪い合うこと。スクラムを制すると有利になる、すなわちボールを取るため試合の流れを大きく左右する。反則後や試合が中断した後の試合再開時に行われる。
ラインアウト→タッチライン(ピッチ横のライン)からボールが投げ入れられる際に8名ずつの選手が2列に並んでボールを奪い合うこと。敵・味方に関わらずボールは必ず「真っすぐ」に投げ込まれる必要があり、どちらかに偏ってしまうと意図的でなくとも反則扱いとなる。
モール→ボールを持った選手に対し、両チーム合わせて3人以上が「立ったまま」でボールを奪い合う状態や、ボールを持ちながら集団で前進する行為。例えば、タックルされた選手が地面に倒れなかったものの守備側の選手に捕まれたままで前進するすると「モール」と定義される。
ラック→両チームの選手がボールを「地面で」奪い合うこと。攻撃する選手が相手チームからタックルでボールと共に倒された際に形成される。
ノットリリースザボール→タックルで倒された選手がボールにしがみついたままでボールを手放さない反則。
トライ→選手がボールを持った状態で相手チームのゴールラインを超え、ボールを地面につけると成立し、5点獲得となる。
コンバージョン→トライが成功した際に与えられる追加得点のチャンス。キックされたボールがゴールポスト間を追加すれば2点獲得。
ペナルティでの得点→審判が「ペナルティ」と判断し、キックされたボールがゴールポスト間を通過すれば3点。
ドロップゴール→ボールをワンバウンドさせてゴールポスト間を通過すれば3点。
ワールドカップなどではトライでの得点が主要であり、コンバージョンをいかに成功させるかが鍵となる。また、コンバージョンのキックをする選手はどの国も得意とする選手(成功率が高い選手)を毎回起用することが多い。トライを決めた選手がコンバージョンをする義務はない。
反則の種類
スローフォワード→ボールを後ろにしかパスできないラグビーでは前方にパスするともちろん反則。
ノックオン→ボールを持っている時、またキャッチする時にボールを前方に落とした際の反則。たまたまボールが滑って落ちてしまっても反則になってしまう。
ノットストレート:スローインやスクラムの際にボールを真っすぐに投げ入れない時の反則
アクシデンタルオフサイド→ボールを持った選手やキックしたボールが前方にいる味方選手に意図せずに当たってしまうこと。有利とみなされるため反則。
オフサイド→ラグビーでは3つのオフサイドが定義されている。どれも「いるべきではない場所」でプレーした時の反則:
①スクラムのオフサイド→スクラムの際、スクラムに参加していない選手は「スクラムの一番後ろにいる選手から5メートル」距離を置く必要がある。もしこの5メートルラインを超えてプレーすると反則。
②ラインアウトのオフサイド→ラインアウトに参加していない選手は、ラインアウトの中央ライン(並んでいるチームの真ん中)から10メートル距離を置く必要がある。スローインの準備ができているにも関わらず、すぐに10メートル下がらない場合や、このラインを越えてプレイすると反則。
③モール・ラックのオフサイド→モールやラックが形成された際、その最後尾の選手がいる地点がオフサイドラインとなる。そのラインの内側(すなわちモールやラックに近い)選手が新たにモールやラックに参加したり、ラインの外側にいる選手がラインを超えると反則。ライン外にいる選手はいつボールがモールやラック外に飛び出すか、また味方がボールを獲得できるかを見守り、タイミングを計りながら行動する。
オーバーザトップ→モールやラックが形成された際、ボールが外に出ないよう倒れこむ行為。
オブストラクション→ボールを持っていない選手を妨害する反則。
コラプシング→モールやラックが形成された際、故意に潰す行為。
ノットロールアウェイ→タックルをした選手とされた選手が倒れたままで次のプレイに支障をきたす反則。
ラグビーは体当たりのスポーツであり、「フェアさ」を非常に重視したルールが設定されている。反則ルールが多いと感じる人もいるかもしれないが、一旦ルールがわかると各チームのストラテジーなどが見えてくるだろう。